
ショート動画は、始めるのは簡単でも、続けるのが難しい施策です。数本作って止まってしまった、という会社は少なくありません。この記事では、なぜ量産できないのか、そして手元の素材から継続的に作るにはどんな工程が必要かを整理します。
現場で起きていること
「うちもショート動画をやろう」と決めて、担当者が編集ソフトを開きます。
- 1本作るのに半日かかり、2本目に手が伸びない
- 何を話せばいいかが決まらず、撮影の前で止まる
- テロップを1本ずつ手で打ち込んでいる
- プラットフォームごとに縦横比が違い、その都度作り直している
- 編集できる担当者が一人しかおらず、その人が辞めたら終わる
そして数か月後、アカウントは残っているが、投稿は止まっているという状態になります。
なぜ量産できないのか
続かない理由は、編集技術ではありません。1本ごとに、企画から書き出しまでの全工程をゼロからやり直しているからです。
ショート動画は尺が短いので、簡単そうに見えます。しかし実際には、1本の中に企画・台本・撮影または素材選び・編集・テロップ・書き出しという工程がすべて詰まっています。尺が短いだけで、工程の数は長い動画と変わりません。
さらに、投稿頻度が求められるという性質があります。月1本では効果が出にくく、続けるほど負荷が積み上がります。1本あたりの工数を減らさない限り、担当者の意欲だけでは支えきれません。
もう一つの構造的な問題が、素材を毎回新しく撮っていることです。撮影は最も時間のかかる工程です。ここを毎回発生させると、量産は原理的に成立しません。
逆に言えば、素材を蓄積し、工程を分けて、繰り返し使える部分を作る。 これができれば、1本あたりの負荷は大きく下がります。

量産の工程を分解する
Guidaがこの業務を仕組み化するとき、次の4つの工程に分けて進めます。

① 台本
まず、話す内容を文字で確定させます。
撮ってから考えるのではなく、書いてから撮ります。台本があると、撮影が短く済み、撮り直しが減り、編集の判断も速くなります。動画制作で最も時間を食うのは、「どうしようか」と迷っている時間です。台本はその迷いを前倒しで潰します。
台本には、冒頭で何を言うかを必ず含めます。ショート動画は最初の数秒で見るか見ないかが決まるため、ここだけは毎回設計が必要です。
そして台本は、1本ずつ考えるのではなく、テーマの一覧からまとめて起こします。 よくある質問、現場で繰り返し説明していること、断られる理由。こうしたストックから台本を量産すると、企画で止まらなくなります。
② 素材選定
次に、その台本に合う映像を、手元の素材から選びます。
ここが量産の要です。毎回撮影するのではなく、繰り返し使える素材を蓄えておき、そこから組み合わせるという発想に切り替えます。作業風景、製品の寄り、店舗の様子、設備の動き。これらは一度まとめて撮っておけば、何本もの動画で使い回せます。
そのためには、素材が探せる状態で保管されている必要があります。撮影日順のフォルダに突っ込んだままでは、結局探せずに撮り直すことになります。何が写っているかで引き出せる形にしておくことが、量産の前提条件です。
新規撮影が必要な場合も、1本分ではなく、複数本分をまとめて撮ります。 撮影は準備と片付けの比重が大きいため、まとめるほど効率が上がります。
③ テロップ
音声を、画面上の文字に落とします。
ショート動画は音声なしで視聴されることが多いため、テロップは必須です。そして、手打ちすると最も時間がかかる工程でもあります。
ここは自動化の効果が大きい部分です。台本があるので、話している内容は既に文字になっています。あとは表示のタイミングを合わせ、読みやすい単位で区切る作業になります。
同時に決めておくのが、見た目の統一です。フォント、文字サイズ、色、位置、囲みの有無。これを1本ごとに決めていると時間がかかるうえ、アカウント全体の印象がばらつきます。最初に決めて、以降は使い回します。
④ 媒体別リサイズ
最後に、投稿先ごとの形に書き出します。
プラットフォームによって、推奨される縦横比、尺の上限、安全に文字を置ける範囲が違います。ここを考慮せずに作ると、投稿してからテロップが画面の端で隠れているといった問題が起きます。
効率化のポイントは、最初から複数の媒体を前提に作ることです。書き出し時にリサイズするのではなく、企画の段階で「この動画はどの媒体に出すか」を決め、文字や被写体を安全な範囲に収めて作っておきます。 そうすれば、書き出しは形式を変えるだけの処理になります。
AIに任せる範囲と、人が持ち続ける範囲
AIが担うのは、決めた内容を形にし、繰り返しの作業を引き受ける部分です。
- テーマの一覧から、台本の下書きを複数まとめて起こす
- 蓄積した素材の中から、台本の内容に合う候補を探し出す
- 音声からテロップを起こし、表示タイミングを合わせる
- 決めた見た目の設定に沿って、テロップを全編に適用する
- 媒体ごとの縦横比・尺に合わせて書き出す
- 文字が安全範囲から外れている箇所を検出する
人が持ち続けるのは、何を映し、何を言うかの判断です。
- その動画で何を伝えるかの決定 — 顧客が本当に知りたいことは、現場で聞かれた質問の中にあります。問い合わせ電話で繰り返される質問や、商談で必ず出る不安は、その場にいた人の記憶の中にしかありません。
- 映してよい素材かどうかの判断 — 作業風景に取引先の名前が入った箱が写っていないか。設備の映像から製造ノウハウが読み取れないか。従業員や来店客が特定できる形で写っていないか。これは撮影後に必ず人が確認する必要があります。
- 出演する人の同意 — 従業員が映る場合、公開範囲と使用期間について本人の了解を得るのは、人の責任です。
- 表現の強さの調整 — 効果や優位性をどこまで言えるかは、業界のルールと自社の立場で決まります。短い尺は言い切りたくなりますが、言い切ってよいかの判断は人が持ちます。
- 自社らしさの判断 — 流行の演出をそのまま真似ると、再生数は伸びても自社の顧客層と合わないことがあります。「うちはこれをやらない」と決めることも設計です。
- 投稿の可否とタイミング — 公開は取り消せません。出す判断は責任者が持ちます。
つまり、AIは「決まった内容を量産する」担当、人は「何を伝えるか」と「出してよいか」の担当です。動画は文章より情報量が多く、意図せず写り込むものが増えるため、確認の工程を省かない設計が重要です。
進め方を詳しく知るには
ショート動画の量産は、編集ソフトの習熟から始めるのではなく、テーマの一覧と素材の蓄積から始めるほうが、確実に続きます。台本のストックと使い回せる素材があれば、1本あたりの負荷は大きく下がります。
どうテーマを洗い出し、どう素材を蓄積し、どこまで自動化できるのか。量産できる状態の作り方については、ウェビナーで詳しくご説明しています。 動画発信を続く形にしたい方は、ぜひご参加ください。
具体的な進め方は、Guidaが定期開催しているウェビナーでご案内しています。
ウェビナーの案内を見る