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AI活用の基本 ·

業務棚卸しのやり方|Excelで工程を見える化し、AI化できる作業を選ぶ

著者 加藤 康介 · Guida合同会社 代表更新日

業務棚卸しは、仕事を「入力→作業→出力」の工程に分け、担当者・頻度・所要時間・判断の要否を書き出す作業です。 AIツールを先に選ぶのではなく、まず月間の負担が大きい工程と、判断基準を言葉にできる工程を見つけます。

業務棚卸しシート(Excel)を無料でダウンロードできます。「使い方」「空欄の棚卸し」「架空の記入例」の3シート入りです。個人情報や取引先の実名を入力せずに、まず1業務から試してください。

1. 対象にする業務を1つ決める

「営業全体」のような大きな単位ではなく、始まりと終わりが分かる業務を1つ選びます。たとえば「問い合わせを受けてから見積書を送るまで」です。最初は、繰り返し発生し、担当者が手戻りを感じている業務が扱いやすいでしょう。

業務名、開始条件、完了条件をシートの各行に共通して記入します。例なら開始は「依頼メールを受け取る」、完了は「承認済み見積書を送る」です。対象範囲が曖昧だと、時間の集計に含む工程も人によって変わります。

2. 入力・作業・出力で工程に分ける

担当者が変わる、使う資料が変わる、承認待ちになる場所で行を分けます。「見積書を作る」1行では、資料の読み取りと価格判断が混ざってしまいます。

工程入力出力担当の例
依頼内容を受け取るメール・添付資料受付済み案件営業
条件を転記する依頼内容見積用の条件表営業
単価・数量を照合する条件表・価格表計算に使う値営業
金額を計算し、下書きを作る照合済みの値見積書の下書き営業
例外条件を判断し、承認する下書き・契約条件承認済み見積書責任者
送付し、履歴を残す承認済み見積書送付記録営業

この表は架空例です。実際の手順が6工程とは限りません。IPA「ユーザのための要件定義ガイド」も、現行業務の「組織、手段、手順」を把握するために業務フローを可視化する考え方を示しています。

業務をひとかたまりのまま扱うと手がかりがつかめない様子のイラスト

3. 月間工数と詰まり方を記録する

各工程の「月間回数」と「1回あたりの分数」を記入すると、シートが月間工数(時間)=回数×分数÷60を計算します。最初は直近の実績か担当者の概算で構いません。概算はその旨をメモし、改善前後を比べる際には同じ方法で測り直してください。

作業時間だけでなく、承認待ち、情報の再入力、差し戻しも「待ち・手戻り」欄に書きます。月間工数が大きくても、待ち時間が主因ならAIで文章を速く作るだけでは解消しません。逆に数分の作業でも、1日に何度も担当者を切り替える工程なら優先して調べる価値があります。

4. AI化の候補を、理由と条件で分ける

シートの「仮判定」欄は○=AIの下書き候補、△=条件を整えて試す、×=人の判断を残すという作業用の印です。自動判定ではありません。次の問いを各工程に当てて、根拠を隣の欄に書きます。

問い○に近づく例△・×になる例
入力が毎回そろうか決まった項目の依頼文がある電話・口頭の情報が散在する
出力の良し悪しを確かめられるか下書きと原資料を照合できる正解を事前に定義しにくい
判断基準が書けるか手順・例外条件が文書化されている相手との交渉や責任ある承認が必要
データを扱えるか利用するツールと共有範囲が承認済み契約・個人情報の扱いが未確認

たとえば架空例の「依頼内容から条件を抜き出す」は下書き候補です。ただし、抜けや数値の誤読を人が原資料と照合する条件を付けます。「金額の四則演算」はAIに推測させず、表計算の式や既存システムで処理します。「例外価格の承認」は責任者に残します。工程の一部が○でも、業務全体を無人化できるという意味ではありません。

経済産業省・総務省のAI事業者ガイドラインは、AI利用時のリスクに応じた管理を示しています。シートの仮判定だけで機密データの投入可否を決めず、自社の契約・情報管理ルールを確認してください。

工程ごとに丸・三角・バツを振り、人の判断を残す箇所を見つける様子のイラスト

5. 小さく試す工程と確認方法を決める

まずは月間工数が大きく、入力が安定し、誤りを人が検出できる工程を1つ選びます。シートの「次の一手」欄に、試す対象、使う資料、確認者、失敗したら止める条件を書きます。試行前の所要時間を残し、試行後は作業・確認・手戻りを合計した時間で比べます。

候補が見つからなくても、棚卸しは無駄になりません。情報の置き場所、承認経路、転記の重複を整理するだけで、AI以外の改善策が見えることもあります。ツールを入力の形から選ぶ記事も、次の検討に使えます。

業務棚卸しシートをダウンロードして、まず1業務を記入してください。どこから試すか迷う場合は、無料相談で現状の工程を一緒に整理します。

棚卸しシートを記入したら、どの工程から着手するか無料相談で一緒に整理できます。未完成のシートでも構いません。

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